①-6 『因縁(うんめい)』 2
2017年7月25日 Boys&Gils もといた少年が慌てて弁解する。彼も、突然の見知らぬ少年の乱入に少し戸惑っていたようだった。確かに少年はアーボックを攻撃したが、だからといって自分の味方とは断定できない。敵が二人になるのか、あるいは三竦みの闘いになるのか─。
改めて現れた少年の出で立ちを見た。癖のある黒髪、バンダナ、黒いロングコート。少し怪しげな雰囲気も醸し出している。そして背後には、紫色のポケモンが控えていた。恐らく先程攻撃したのはこいつだろう。
「君は…誰なんだ?」
もとの少年は現れた少年に問うた。せめて彼が敵なのか、味方なのか、それだけでも知りたかった。「…そんなこと、後で良いじゃん。それより、君今大分ピンチだったように見えるけど」
「あ、ああ…」
彼の言葉を聞いて、もとの少年の不安は少しずつ安心感へと変わっていった。これから敵にならんとしている者に向かって発する言葉とも思えなかったからだった。
「それに僕…あそこにいるねーちゃんにちょっと用があるからさ」
現れた少年が、目の前にいる白服の女性を指し示す。
「えっ…あいつに?」
「あたしに…?あたしはあんたのことなんて知らないわよ」
もとの少年は驚き、女性は怪訝そうな顔をした。面識がないのなら、一体何の用があるというのか。まさかこの少年も、この事件に関与しているのか。
「…あんたが知らなくても、僕はよく覚えてるんだ。その変なマーク」
「えっ…?」
もとの少年は女性の方を振り返り、女性も自分の右胸を見た。そこには“IC”というロゴマークがプリントされている。
(この人は…何を知ってるんだ?)
もとの少年は、現れた少年のことが更に気になり出す。敵であれ味方で荒れ、この少年から目を離すわけにはいかない。
「なぁ~るほど。“あいつら”に無様な失敗をさせたボーヤって、君のことだったの」
「…さあね」
もとの少年は二人の会話の内容がどんどん分からなくなり、混乱し始めた。しかし、そんなことに思考をめぐらしている場合ではないことにすぐ気付く。今、目の前に敵が立ちはだかっている。退けなければならない。
改めて現れた少年の出で立ちを見た。癖のある黒髪、バンダナ、黒いロングコート。少し怪しげな雰囲気も醸し出している。そして背後には、紫色のポケモンが控えていた。恐らく先程攻撃したのはこいつだろう。
「君は…誰なんだ?」
もとの少年は現れた少年に問うた。せめて彼が敵なのか、味方なのか、それだけでも知りたかった。「…そんなこと、後で良いじゃん。それより、君今大分ピンチだったように見えるけど」
「あ、ああ…」
彼の言葉を聞いて、もとの少年の不安は少しずつ安心感へと変わっていった。これから敵にならんとしている者に向かって発する言葉とも思えなかったからだった。
「それに僕…あそこにいるねーちゃんにちょっと用があるからさ」
現れた少年が、目の前にいる白服の女性を指し示す。
「えっ…あいつに?」
「あたしに…?あたしはあんたのことなんて知らないわよ」
もとの少年は驚き、女性は怪訝そうな顔をした。面識がないのなら、一体何の用があるというのか。まさかこの少年も、この事件に関与しているのか。
「…あんたが知らなくても、僕はよく覚えてるんだ。その変なマーク」
「えっ…?」
もとの少年は女性の方を振り返り、女性も自分の右胸を見た。そこには“IC”というロゴマークがプリントされている。
(この人は…何を知ってるんだ?)
もとの少年は、現れた少年のことが更に気になり出す。敵であれ味方で荒れ、この少年から目を離すわけにはいかない。
「なぁ~るほど。“あいつら”に無様な失敗をさせたボーヤって、君のことだったの」
「…さあね」
もとの少年は二人の会話の内容がどんどん分からなくなり、混乱し始めた。しかし、そんなことに思考をめぐらしている場合ではないことにすぐ気付く。今、目の前に敵が立ちはだかっている。退けなければならない。
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