①-5 『奇襲(テロリズム)』 1
2017年7月3日 Boys&Gils5
その都市ーソウリュウシティは一瞬で大混乱に陥った。道路の車の進行が詰まり、人が街の外部へと走って行く。何も彼らは芸能人を見たわけでも、珍獣を発見したわけでもない。爆撃の脅威から逃げ果せようと必死になっているのだった。
都市の中心部で一発目が発弾され、それから数分ごとに相次いで西側、東側と都市中を襲い始め、徐々に襲撃範囲を拡張していった。
これが人為的なものなのか、はたまた事故なのかは誰も知る由も無い。ただただ警察の避難誘導に従い、都市の外部へと走ることしか、市民にはできなかった。
そんな中、とある大きな建物で動揺している二人の少年たちがいた。
「な、なんだ今の…?」
先に声を出したのは、相対的に背の低く、外見の若い少年だった。
「爆撃じゃねぇだろうな…」
年上とみられる少年も動揺を隠せず、窓から外を見た。
「単なる事故ならいいけど…」
少年がまたしても、自分の嫌な予感がただの妄想であることを祈る。しかし、それも儚い願いに過ぎなかった。
「いや、そうじゃなさそうだぜ」
「えっ…?」
年上の少年が静かな、しかし何かを確信したような自信に溢れた声で答える。年下も、一瞬意味がわからず動揺した。
「よーく聞いてみな」
年上がそう指示すると、年下は言われた通り、何も言わずに息を潜めて耳を澄ました。すると、大きさこそ違えど先程聞いたばかりの音が、あらゆる方角から聞こえてきた。
「!!」
少年はその場で青ざめ、絶望のあまりに数秒間その場から動くことができなかった。
「間違いねぇ。これはテロだな」
年上が断定する。年下の少年と違い強い動揺は見せていないが、その苦い表情を見る限り、彼にとっても嬉しくない事実なのは間違いない。
「ぼ、僕見てきます!」
少年がはっとしたように口を開けた。ようやく身体が動くようになった、あるいは何か義務感のようなものによって動かされたらしい。
その都市ーソウリュウシティは一瞬で大混乱に陥った。道路の車の進行が詰まり、人が街の外部へと走って行く。何も彼らは芸能人を見たわけでも、珍獣を発見したわけでもない。爆撃の脅威から逃げ果せようと必死になっているのだった。
都市の中心部で一発目が発弾され、それから数分ごとに相次いで西側、東側と都市中を襲い始め、徐々に襲撃範囲を拡張していった。
これが人為的なものなのか、はたまた事故なのかは誰も知る由も無い。ただただ警察の避難誘導に従い、都市の外部へと走ることしか、市民にはできなかった。
そんな中、とある大きな建物で動揺している二人の少年たちがいた。
「な、なんだ今の…?」
先に声を出したのは、相対的に背の低く、外見の若い少年だった。
「爆撃じゃねぇだろうな…」
年上とみられる少年も動揺を隠せず、窓から外を見た。
「単なる事故ならいいけど…」
少年がまたしても、自分の嫌な予感がただの妄想であることを祈る。しかし、それも儚い願いに過ぎなかった。
「いや、そうじゃなさそうだぜ」
「えっ…?」
年上の少年が静かな、しかし何かを確信したような自信に溢れた声で答える。年下も、一瞬意味がわからず動揺した。
「よーく聞いてみな」
年上がそう指示すると、年下は言われた通り、何も言わずに息を潜めて耳を澄ました。すると、大きさこそ違えど先程聞いたばかりの音が、あらゆる方角から聞こえてきた。
「!!」
少年はその場で青ざめ、絶望のあまりに数秒間その場から動くことができなかった。
「間違いねぇ。これはテロだな」
年上が断定する。年下の少年と違い強い動揺は見せていないが、その苦い表情を見る限り、彼にとっても嬉しくない事実なのは間違いない。
「ぼ、僕見てきます!」
少年がはっとしたように口を開けた。ようやく身体が動くようになった、あるいは何か義務感のようなものによって動かされたらしい。
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