①-4 『歴史(なりゆき)』 1
2017年6月29日 Boys&Gils4
謎の騒動の連続で予定よりも大分遅れてしまったが、ようやく次の都市に辿り着いた。時刻は15:30分。モンスターボールの修理も含め、予定よりも二時間オーバーである。
ソウリュウシティ。このイッシュの歴史が詰まった街、と呼ばれているらしい。実際西側に大きな歴史館が建設されているし、歴史研究の名門ソウリュウ大学もその近くにあるらしい。
ただ、それよりももっと気になったのは、街の中央部に建てられているモニュメントだった。岩で作られているが、まだ建造されてからそう時間が経っていないらしく、苔も傷もほとんどない。ここまで綺麗だと最早歴史の産物としての貫禄が全く感じられないが、とりあえず僕は書いてあることを読んでみることにした。
“英雄、その者二人。二つの幻獣を友とし、巨悪を正さんとす。幻獣もまた英雄は幻を友とす。獣ありて人あり。人ありて幻獣あり。二つのもの、一時も欠けるまじ。
英雄の名、欠けなき、黒き理想を求む少年トウヤ”、“純白の、汚れなき真実を示す少女トウコ”
一度読んだだけでは何を言っているのかわからない。“英雄”というのは、名前を聞いた限りでは人間かと思われるが、“幻獣”は何を示すのか。ポケモン…?
そう思って石碑をもう一度よく見てみると、文章の下に絵が彫られていた。二人の人間─少年と少女に見える─がそれぞれ、怪獣のようなものと手を取り合っている。人間の方は“英雄”を示し、怪獣の方は“幻獣”を示し、この図は“友”となったことを示すのだろうか。トウヤ、トウコというのは、この二人の人物のことなのだろうか。
そして一番下には“9.18.〇〇10”と掘られている。日付だろうか。だとすれば七年前。この石碑が建てられた日だろうか?それとも、この日にこの地方で何か起こったのだろうか?
そうこう考えているうちに、僕は不思議とその石碑に見入ってしまっていた。実際眺めていたのは数分間だろうが、僕には一時間にも二時間にも感じられた。石碑に記された出来事など知らないが、目の前の絵と文字を通していろいろなイメージが頭の中に流れ込んでくる。芸術に縁のなく感受性に乏しい僕でも感動させてしまうような芸術がこの世に存在するのだと、今知った気がした。
謎の騒動の連続で予定よりも大分遅れてしまったが、ようやく次の都市に辿り着いた。時刻は15:30分。モンスターボールの修理も含め、予定よりも二時間オーバーである。
ソウリュウシティ。このイッシュの歴史が詰まった街、と呼ばれているらしい。実際西側に大きな歴史館が建設されているし、歴史研究の名門ソウリュウ大学もその近くにあるらしい。
ただ、それよりももっと気になったのは、街の中央部に建てられているモニュメントだった。岩で作られているが、まだ建造されてからそう時間が経っていないらしく、苔も傷もほとんどない。ここまで綺麗だと最早歴史の産物としての貫禄が全く感じられないが、とりあえず僕は書いてあることを読んでみることにした。
“英雄、その者二人。二つの幻獣を友とし、巨悪を正さんとす。幻獣もまた英雄は幻を友とす。獣ありて人あり。人ありて幻獣あり。二つのもの、一時も欠けるまじ。
英雄の名、欠けなき、黒き理想を求む少年トウヤ”、“純白の、汚れなき真実を示す少女トウコ”
一度読んだだけでは何を言っているのかわからない。“英雄”というのは、名前を聞いた限りでは人間かと思われるが、“幻獣”は何を示すのか。ポケモン…?
そう思って石碑をもう一度よく見てみると、文章の下に絵が彫られていた。二人の人間─少年と少女に見える─がそれぞれ、怪獣のようなものと手を取り合っている。人間の方は“英雄”を示し、怪獣の方は“幻獣”を示し、この図は“友”となったことを示すのだろうか。トウヤ、トウコというのは、この二人の人物のことなのだろうか。
そして一番下には“9.18.〇〇10”と掘られている。日付だろうか。だとすれば七年前。この石碑が建てられた日だろうか?それとも、この日にこの地方で何か起こったのだろうか?
そうこう考えているうちに、僕は不思議とその石碑に見入ってしまっていた。実際眺めていたのは数分間だろうが、僕には一時間にも二時間にも感じられた。石碑に記された出来事など知らないが、目の前の絵と文字を通していろいろなイメージが頭の中に流れ込んでくる。芸術に縁のなく感受性に乏しい僕でも感動させてしまうような芸術がこの世に存在するのだと、今知った気がした。
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