①-3 『前兆(まえぶれ)』 4
2017年6月29日 Boys&Gils バチュルは電気を餌とする。僕のモンスターボールも、知らない間に電気を吸い取られ、機能が停止していた、という単純な話だった。
ここで自分はどうするのが良いのか。
ポケモンで闘うことは出来ない。下手に強行突破しようとすればーバチュル程度の電力なら死ぬことはないだろうが、これだけの数なのでー感電して気絶くらいはしてしまう恐れがある。この人気の無い林では、誰かが助けてくれる保証もなかった。
「くそっ…」
向こうは徐々にこちらに接近し、今にも襲いかからんとしている。しかし、こちらは下手に動くことが出来ない。圧倒的不利な状況だった。
しかし、打開策が全くないかといえば、そうでもない。
相手は攻撃する際に必ず電気を使用する。電子機器がその電気を受ければ、充電するのと同じようにその電力をエネルギーとして内部に溜め込むことができる。その一瞬を狙ってモンスターボールを作動させ、バチュル(こいつら)を撃退する。これでこの場を凌ぐことが出来る。
しかし、もちろんそれなりのリスクを伴う。もし一瞬でも動作が遅れれば、感電して気絶し、全てが台無しになってしまう。それに、僕が持っている電子機器はモンスターボールだけではない。携帯やトレーナーナビ、トレーナー手帳、ポケモン図鑑ーそれらが過剰に電力を溜め込めば、一瞬で使い物にならなくなる可能性がある。それはあまりにも大きな犠牲だった。
ここで僕がコンマ数秒考えて出した答えはー。
(やるしか…ないね)
黙っていてもどうせやられる。ならば一か八かやってみるしかなかった。そして僕はバチュルが動きを止めたその瞬間を狙い、今まで通りの進行方向へと一歩を踏み出した。
「ジジッ!ジジジ…!!」
地面に足を付けた瞬間、激しい痺れが全身を襲った。
「うぐ…があぁっ!」
この一瞬の隙にモンスターボールを、と思って手を伸ばそうとした。しかし、僕の計画は無謀だったようだった。
手が思うように動かず、ボールを掴むことが出来ない。この強い電気の中で、一瞬のうちに一連の動作を行うのは、難題というより、不可能に近かった。徐々に、体の感覚が奪われ、さらに動きを鈍らせる。
ここで自分はどうするのが良いのか。
ポケモンで闘うことは出来ない。下手に強行突破しようとすればーバチュル程度の電力なら死ぬことはないだろうが、これだけの数なのでー感電して気絶くらいはしてしまう恐れがある。この人気の無い林では、誰かが助けてくれる保証もなかった。
「くそっ…」
向こうは徐々にこちらに接近し、今にも襲いかからんとしている。しかし、こちらは下手に動くことが出来ない。圧倒的不利な状況だった。
しかし、打開策が全くないかといえば、そうでもない。
相手は攻撃する際に必ず電気を使用する。電子機器がその電気を受ければ、充電するのと同じようにその電力をエネルギーとして内部に溜め込むことができる。その一瞬を狙ってモンスターボールを作動させ、バチュル(こいつら)を撃退する。これでこの場を凌ぐことが出来る。
しかし、もちろんそれなりのリスクを伴う。もし一瞬でも動作が遅れれば、感電して気絶し、全てが台無しになってしまう。それに、僕が持っている電子機器はモンスターボールだけではない。携帯やトレーナーナビ、トレーナー手帳、ポケモン図鑑ーそれらが過剰に電力を溜め込めば、一瞬で使い物にならなくなる可能性がある。それはあまりにも大きな犠牲だった。
ここで僕がコンマ数秒考えて出した答えはー。
(やるしか…ないね)
黙っていてもどうせやられる。ならば一か八かやってみるしかなかった。そして僕はバチュルが動きを止めたその瞬間を狙い、今まで通りの進行方向へと一歩を踏み出した。
「ジジッ!ジジジ…!!」
地面に足を付けた瞬間、激しい痺れが全身を襲った。
「うぐ…があぁっ!」
この一瞬の隙にモンスターボールを、と思って手を伸ばそうとした。しかし、僕の計画は無謀だったようだった。
手が思うように動かず、ボールを掴むことが出来ない。この強い電気の中で、一瞬のうちに一連の動作を行うのは、難題というより、不可能に近かった。徐々に、体の感覚が奪われ、さらに動きを鈍らせる。
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