1-① 「始動(はじまり)」 5
2017年4月21日 Boys&Gils「じゃあ…誰が代わりになるのよ」
「…別に、俺だって」
その瞬間、少女は本人さえも想像し得なかった行動に出た。右掌で、兄の頬に平手打ちを食らわせていた。なぜそんなことをしたのかわからなかったが、感情の導くままに言葉を続けた。
「痛っ…」
「自分だけだと思わないで!」
「…え?」
「…るのは、あんただけじゃないの」
少女は少し俯いてしまったが、彼女の目に僅かながら涙が浮かんでいることに少年は気付いた。それを見られたくなかったのか、少女は少年の方を真っ直ぐ向いていた顔を足元に向ける。
「ど、どうしたんだよ…」
少年が心配になって尋ねると、少女は首をぶんぶんと左右に振り、また彼の方に向き直った。
「…なんでもないよ!ごめん、もしかしたら、こんな危険なことしなくても調べる方法、あるかもしれないよね」
「あ、あぁ…」
「…とりあえず、研究所に戻ろうか」
「お……おう」
突然態度を変えた彼女の様子を不審に思いながらも、とりあえず少年は彼女の後についていくことにした。
「…別に、俺だって」
その瞬間、少女は本人さえも想像し得なかった行動に出た。右掌で、兄の頬に平手打ちを食らわせていた。なぜそんなことをしたのかわからなかったが、感情の導くままに言葉を続けた。
「痛っ…」
「自分だけだと思わないで!」
「…え?」
「…るのは、あんただけじゃないの」
少女は少し俯いてしまったが、彼女の目に僅かながら涙が浮かんでいることに少年は気付いた。それを見られたくなかったのか、少女は少年の方を真っ直ぐ向いていた顔を足元に向ける。
「ど、どうしたんだよ…」
少年が心配になって尋ねると、少女は首をぶんぶんと左右に振り、また彼の方に向き直った。
「…なんでもないよ!ごめん、もしかしたら、こんな危険なことしなくても調べる方法、あるかもしれないよね」
「あ、あぁ…」
「…とりあえず、研究所に戻ろうか」
「お……おう」
突然態度を変えた彼女の様子を不審に思いながらも、とりあえず少年は彼女の後についていくことにした。
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