①-7 『同盟(ユニット)』 2
2018年5月9日 Boys&Gils 彼のこの様子を見た感じだと、あの場所で出会った“彼ら”や、先程の女性と少年の因縁は軽いものではなさそうだった。
「どこで会ったの?」
キョウヘイは落ち着きを取り戻したのか、再び腰掛け、今度は抑えめの声で尋ねる。
「あ、うん…。セッカシティからソウリュウに向かってくる途中で、変な男たちが女の子に絡んでたから、追っ払ってやったんだよね。なんか奪おうとしてたみたいで…」
「女の子…?まさか…」
キョウヘイは徐々に表情に不安を募らせる。
「その女の子は、本を抱えてなかった?」
僕は少女の姿・言動を、覚えている範囲で脳裏に描く。
「ああ…。持ってたと思う。なんか、誰かに届ける途中だったみたいだけど」
「やっぱり…」
彼は何かを割り切ったように、下を向いて溜息をつく。僕が教えたことと彼がどういった関係にあるのか一切わからないが、少なくとも余りたまいい知らせではないらしい。
「…その子が、どうかしたの?」
「僕の姉が、大切な資料を持って、セッカの先の研究所へ向かったんだ。でも、まさか…」
「…姉…?」
僕はあの時の情景を思い出しながら話を進めていたが、あることに気付いた。僕が少年の顔を一目見たときに覚えた違和感。それが徐々に形になっていく。
似ている。薄らとしか覚えていないが、彼女は今目の前にいるこの少年とよく似た顔をしていた。
「君に助けてもらった、その女の子が僕の姉…だと思うんだ」
「…だろうね」
僕はもう察しがついていたので、別段驚いたりもしなかった。何より気になるのはその続きだった。
「…それで、その連中は何を企んでるの?どうして君ら姉弟にちょっかいを出してくるのさ」
僕は頭の後ろで両手を組み、背もたれに寄りかかった。
「…奴らは…恐らく…」
彼の言葉が途切れ途切れになる。言葉にするのを躊躇っているようにも見えるが、そんなに恐ろしいことを奴等は考えているのだろうか。
「…このイッシュの破壊と再生」
「…?」
彼はそれまで異常に重く低い声でそう告げた。それを聞いた僕も、あまりにスケールが大きすぎて一瞬言葉の意味が頭に巡ってこなかった。
「どこで会ったの?」
キョウヘイは落ち着きを取り戻したのか、再び腰掛け、今度は抑えめの声で尋ねる。
「あ、うん…。セッカシティからソウリュウに向かってくる途中で、変な男たちが女の子に絡んでたから、追っ払ってやったんだよね。なんか奪おうとしてたみたいで…」
「女の子…?まさか…」
キョウヘイは徐々に表情に不安を募らせる。
「その女の子は、本を抱えてなかった?」
僕は少女の姿・言動を、覚えている範囲で脳裏に描く。
「ああ…。持ってたと思う。なんか、誰かに届ける途中だったみたいだけど」
「やっぱり…」
彼は何かを割り切ったように、下を向いて溜息をつく。僕が教えたことと彼がどういった関係にあるのか一切わからないが、少なくとも余りたまいい知らせではないらしい。
「…その子が、どうかしたの?」
「僕の姉が、大切な資料を持って、セッカの先の研究所へ向かったんだ。でも、まさか…」
「…姉…?」
僕はあの時の情景を思い出しながら話を進めていたが、あることに気付いた。僕が少年の顔を一目見たときに覚えた違和感。それが徐々に形になっていく。
似ている。薄らとしか覚えていないが、彼女は今目の前にいるこの少年とよく似た顔をしていた。
「君に助けてもらった、その女の子が僕の姉…だと思うんだ」
「…だろうね」
僕はもう察しがついていたので、別段驚いたりもしなかった。何より気になるのはその続きだった。
「…それで、その連中は何を企んでるの?どうして君ら姉弟にちょっかいを出してくるのさ」
僕は頭の後ろで両手を組み、背もたれに寄りかかった。
「…奴らは…恐らく…」
彼の言葉が途切れ途切れになる。言葉にするのを躊躇っているようにも見えるが、そんなに恐ろしいことを奴等は考えているのだろうか。
「…このイッシュの破壊と再生」
「…?」
彼はそれまで異常に重く低い声でそう告げた。それを聞いた僕も、あまりにスケールが大きすぎて一瞬言葉の意味が頭に巡ってこなかった。
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